S&Pの格下げ判断とFRBの景気判断
開催された欧州連合(EU)首脳会議では、
- 欧州中央銀行(ECB)の要求に応じて財政規律を強化するための「新財政協定」(新条約)の締結
- 5,000億ユーロ規模の恒久的救済枠組みであるESM(欧州安定メカニズム)の稼動の前倒し
- EU加盟国がIMFの危機対応を支援するために相対融資を通じて総額最大2,000億ユーロを拠出
で合意しました。(FX業者からの情報提供)
しかし、EUのファンロンパイ大統領が提案したユーロ共同債やESMの銀行化(ECBからの資金調達が可能となる)については合意が得られませんでした。合意内容に関して、マーケットではドイツ・フランス首脳の共同提案に近い内容となり、特段のサプライズはなかったにも拘わらず、リスク・オフの展開になっていません。EU首脳会議の内容には不透明な部分が多く、今後、計画通りに実施できるかについてリスクが残ります。また、ECBのドラギ総裁は「EU首脳会議で財政規律に関して合意が成立したとしても、直ちに2,070億ユーロ規模の国債購入を拡大することはない」と述べています。ECBがどこまで積極的に財政問題に対応するのか依然として懸念があります。
目先では、格付け会社S&PがEU首脳会議の結果を見極めた後にユーロ圏15ヶ国の格下げに踏み切るかどうかを決めることを明らかにしています。さらに、格付け会社ムディーズでも「EU首脳会議は域内各付け支援に十分ではない」と、格付け会社フィッチも「EU首脳会議が欧州のソブリン債務における圧力の緩和に寄与しなかった」という見方を示しています。万が一、欧州各国の格下げなどを発表すれば、リスク・オフの流れに陥ることになるでしょう。マーケットの反応を見極めるうえでも、イタリア国債入札・スペイン国債入札の確認が必要です。
その一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を発表します。政策金利は現行の0.00〜0.25%に据え置かれると思いますが、実質ゼロ金利政策を続ける期間の見通しを2013年半ばから2013年後半へ変更するかどうかの議論がされる可能性が高く、追加緩和措置も見送られる可能性があります。米国景気は下期に入ってから10〜12月期のGDP成長率が前期比年率で2%台半ばが見込まれるなど、予想以上の持ち直しを見せており、雇用や製造業関連指標も市場予想を上回る強い結果が比較的多く見受けられます。しかし、前回の会合で注目されたコミニケーションの透明性向上策の対応に関心が集まり、政策金利の見通しの公表などが議論され、その実施決定の可否は来年1月のFOMC会合での判断となるでしょう。
ドル円相場ではリスク・オフの流れからドルと円がそれぞれ強くなる中、年末年始へのドル需要の動きも含め、ドルの強さが少し優勢と見受けられ、ドル円相場の上昇に繋がっています。最近は重要な米経済指標の発表が多く、その結果次第で株価が反応し、FXマーケットへの影響も少なくないと思われます。経済指標の発表時は注意しましょう!
紙の記念日
iPadやiPhoneアプリなどの普及により、電車の中で電子書籍を読んでる方を見かけることが多くなってきました。個人的には「やはり読書は実際の本で!」と思っていますが、皆さんはいかがでしょうか。
新聞や雑誌、チラシ、コピー用紙などに使われる「印刷・情報用紙」やトイレットペーパー、ティッシュペーパーで使われる「家庭紙」など、私たちは毎日いろいろな紙に囲まれて生活しています。製紙業界は景気の善し悪しをそのまま反映する典型的な“内需型産業”と言われており、景気が良くなると企業は広告をたくさん出し、豪華なパンフレットなどを作成しますが、その反面で景気が悪化すると企業は真っ先に広告宣伝費を削るからだそうです。
紙はさまざまな原料から作られていますが、そのほとんどは木材から抽出される木材パルプで作られています。その多くはカナダやアメリカなどの国々から輸入されています。円高になると、紙パルプなどの内需型の輸入企業は購入コスト減による業績向上が見込まれるため、株の買いが入りやすくなると言われています。しかしながら、原油価格の上昇や東日本大震災での工場被災など様々な要因で業績好調とは言い難い現状ですね。また、円高が追い風になって輸入紙が急速に増加しているのも懸念材料です。
12月16日は紙の記念日です。1875年、東京・王子の抄紙会社(後の王子製紙)の工場で営業運転が開始されたことに由来しているそうです。ティッシュペーパー、メモ帳、名刺、カレンダー、紙コップなど、改めて身の回りの紙の多さに驚きます。皆さんの周りにはどのくらいの紙製品がありますかね。
ご当地モノからアニメキャラクター入りまで!?記念貨幣のあれこれ
最近、「財務省が沖縄県、神奈川県、宮崎県の3県のシンボルを示した貨幣の図柄を発表した」というニュースを見かけました。一体どういうことか調べてみると、これらは平成19年の地方自治法施行60周年を記念して同翌年より作られている「地方自治法60周年記念貨幣」の一部だそうです。
平成20年から約10年間にわたって全国47都道府県のイメージを表した千円貨幣と5百円貨幣の2種類ずつを順次発行していく事業が行われているようです。現在まで16都道府県の各2種類の貨幣が発行されており、財務局WEBサイトから今までの発行状況を確認することができます。皆さんがお住まいの地域の貨幣は発行されているでしょうか。
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行状況(財務省ウェブサイト)
http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/47_pref_coin_program/joukyou.htm
日本の記念貨幣の始まりは1964年の東京オリンピック記念貨幣、反響を集めてあっという間に売り切れになったほどで、以後50種以上の記念貨幣が発行されています。最近の記念貨幣は東京オリンピック版ほどに広く注目されることはないと思いますが、今回のように日本に住むすべての人々の身近なものをモチーフにしたコインが発行されるのはとても良いですね。本事業の目的として掲げられているとおり、地方活性化のきっかけにもなればなお良いと思います。米国でも過去に似たようなもので50州25セント硬貨が発行されました。流通を目的として大量発行されたようなので、もしかしたら手にしたこともある方がいるかもしれませんね。ちなみにユーロ圏では、記念日や行事毎に2ユーロ記念硬貨が各国で発行されています。
このように記念通貨は文字通りの「国家的記念」として発行されるのが一般的ですが、最近では国家的ビジネスの要素を含んだ変り種も登場しています。例えば、世界初と言われるQRコード付きの貨幣、オランダで同国造幣局100周年を記念して発行が予定されています。ちなみにQRコードからは造幣局の専用サイトへ進むことができます。他にはオセアニア地域のツバルという国では、外貨獲得の手段として各国のアニメキャラクターを描いた自国貨幣を発行しています。実は日本のアニメキャラクター版も発行されていて、ウルトラマン、ゲゲゲの鬼太郎、宇宙戦艦ヤマトなど日本人に馴染みのあるキャラクターがツバル国の貨幣に描かれているそうです。驚きの話ですが…これも商業上の国家戦略のひとつなのかもしれませんね。
ちなみに冒頭でご紹介した「地方自治法60周年記念貨幣」ですが、発行済みの貨幣のうち、既に販売終了となっているものもいくつかあるようです。FXスワップ派としてはこれらの記念貨幣は見逃せませんね。


